米大リーグ、ヤンキースで”第5の外野手”とも言われたイチローの評価が急上昇している。本拠地ヤンキースタジアムに宿敵レッドソックスを迎えた13日の試合。途中から代走で出場し、右翼の守備に就いたイチローは、3-2の1点リードの八回、主砲オルティスの右中間の大飛球を背走、ジャンプ一番、フェンスに激突しながらキャッチした。
イチロー フェンスに激突しながらキャッチ!!
「捕れなくても二塁打なので、いきやすい場面ではあった。三塁打が嫌だったけど、オルティスだからね。ケガのリスクは僕にはあまりないからね」とニヤリと解説した。
地元ファンからも大歓声を受けたばかりか、敵の番記者からも「イチローのプレーを見るためにお金を払う」とツイッターされたイチロー。「ちょっとジーンと、僕の気持ちもさすがに動く」と照れくさそうだったが、周囲の見る目は確実に変わってきた。
攻守とも好調を持続するイチローに対し、ジラルディ監督も「驚きに値する捕球だね。彼が外野にいるときは、とてもいい仕事をしてくれる」と賛辞を贈った。この日、イチローが右翼の守備に入ったとき、ベルトランが人生初めて一塁に回った。ニューヨーク・タイムズ紙は「シフトの移動がヤンキースに利益をもたらした」と伝えた。
ア・リーグ東地区で首位を走るヤンキースにとって、イチローの力が不可欠になってきた。[msn]
http://sankei.jp.msn.com/sports/news/140415/mlb14041510200004-n1.htm
■岐路に立つイチローが語るイメージ
米国時間4月9日のボルティモア・オリオールズ戦の9回に代走で出場し、野村克也氏の持つ3017試合出場の日本記録を抜き、日米通算3018試合出場を果たした。しかしこの時も、まさにイチロー選手らしく次のようなクールなコメントを寄せていた。
代走で出場し3018試合出場を達成
「出ているだけでカウントされるものに僕は価値を見出せない」
この時の出場(出塁)が、自分で打ったヒットではなく、無死一、三塁の途中からの代走だったので、余計にその思い(価値を見出せない)を強くしたのだろうが、メンバーに名を連ねるだけで叶う試合出場という記録には、まったく興味がないようだ。
やはりイチロー選手にとってのこだわりは、打者として試合に出場して走攻守で「何をするか?」ということにあり、そこにこそプロフェッショナルとしての誇りがあるのだろう。
しかし、そんなイチロー選手が、今シーズンは岐路に立たされている。試合に出場できない日々が続いているのだ。開幕戦もベンチを温めていた。
シアトル・マリナーズ時代には考えられないことだが、ヤンキースに移籍してからは、レギュラーとしての出場が約束されていない。そして、今シーズンは、いよいよ控え組としてスタートを切ることになった。
ずっと気になっていたのは、こうした状況を彼がどう思っているのか……ということだ。イチロー選手はこう語る。
「だからと言って、僕が毎日やっていくことに変わりはない。(試合前練習で)打撃の順番が変わったり、そういうのはありますが、ゲームに対して、というのは、何ら変わりがないわけで、それをとにかく重ねていく。どこかで切らせてしまえば、本当に切れてしまう可能性があるから、そこは大事にしたいし、それをしない僕は僕ではないですから。それが現時点でのイメージですかね」(日刊スポーツ4月2日付)
イチロー選手が、こんな内容に言及することはいままでなかった。それだけ彼が置かれている環境、感じている現状、というものが厳しいということでもあるのだろう。
数々の栄光につつまれながら40歳になったイチローが、選手としてこの局面でどう戦っていくのか。ベンチにいるイチロー選手が、何をしているのか。あるいは、短いプレータイムの中で、彼が何を見せてくれるのか。
おそらく、イチロー選手はこのまま黙っていないはずだ。きっと、胸のすくような逆襲を仕掛けてくることだろう……。[BizCOLLEGE]
http://www.nikkeibp.co.jp/article/column/20140414/392865/
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□ イチロー スーパーキャッチでスタンディングオベーション
ここまで来たら本人がやりたいようにやればいいさ
辞め時なんか心配する馬鹿にだけはならない事よ