サッカーの第6回女子ワールドカップ(W杯)ドイツ大会は17日(日本時間18日)、当地で決勝が行われ、日本代表「なでしこジャパン」が世界ランキング1位の米国を2―2からPK戦の末、3―1で破り、初優勝した。
年齢制限のないフル代表が世界一を争う大会で日本が優勝したのは、男女を通じ初めて。女子は五輪3度、W杯6度目の出場で日本スポーツ史を塗り替える偉業を遂げた。
なでしこジャパン
日本は後半24分に先制されたが、同36分に宮間あや(岡山湯郷)が同点ゴール。延長前半14分にワンバックのゴールで勝ち越された後も、同後半12分に沢穂希(INAC)が決めて再び追い付いた。PK戦ではGK海堀あゆみ(INAC)が好セーブを連発し、過去21敗3分けの米国から初勝利を挙げた。
澤は今大会5点目で、得点王を獲得。最優秀選手(MVP)に選ばれた。
世界ランキング4位の日本は今大会、1次リーグを2勝1敗で通過すると、準々決勝で強豪ドイツを、準決勝でスウェーデンを破り、初の決勝進出で一気に頂点に立った。米国は3大会ぶり3度目の優勝を逃した。
日本女子は1981年に初めて代表が結成され、W杯で95年大会のベスト8、五輪は2008年北京大会の4位が過去最高だった。
試合後のメンバーコメント
■丸山
(表彰台からの景色は)今まで生きてきた中で一番いい景色でした。(勝利が決まったときは)みんなのところに思い切り駆け寄っていきました。みんなで一つになって優勝した大会です。震災以来、日本が苦しい状態なんですけど、復興に立ち上がる人たちを見てわたしたちも力になりました。日本が一つになって勝ち取った勝利だと思います。
■阪口
みんなの支えがあってここまで来れたのでうれしいです。W杯で優勝したことよりも米国に勝ったことが先にあったのでめちゃくちゃうれしいです。ドイツ、米国には今まで勝てなかったんですけど、こういう舞台で借りを返すことができてうれしいです。
■永里
チームとして優勝できたことをうれしく思います。大会を通していろいろあって、自分としても苦しい時期もあったんですが、みんなと優勝という喜びを分かち合うことができて財産になりました。W杯で優勝したことで日本の女子サッカーが注目されると思うので、今後は自分たちの世代が担っていかないといけないという責任を感じています。
■熊谷
本当にうれしいのと、びっくりしているのが半分ずつくらいです。(PK戦の最後のキッカーだったが)失点してしまったというのもあったし、前線の選手が(点を取って)ここまで残してくれたので、自分の足で決めたいと思っていました。思い切って蹴るだけでした。(金メダルは)一番輝いている色、そうそうかけられない色なんでうれしいです。
■宮間
ほっとしています。みんなが頑張った結果です。個人的な賞は澤選手がもらったんですけど、みんなが最優秀だと思います。自分は米国代表にも友人が多く、敬意を表さないといけないので、表彰式も落ち着いていました。最後の試合は相手に支配される時間が長かったので、これを糧に次の五輪に生かしたい。(優勝は)たくさんの先輩がいてこそだと思う。(日本のファンへ)やりました! (震災の影響で)まだまだ大変ですが、日本国民全員で頑張っていきましょう。
■安藤
信じられないです。(普段プレーするドイツで)なでしこジャパンをドイツにも世界にもアピールできた。それを目標にやってきたのでうれしいです。一人ひとりが最後まであきらめなくて、本当に最高でした。チームのためにみんなが戦えたと思うし、自分も走り回って戦いました。自分も小さいときに先輩の姿を見て目標にしていたので、自分たちの姿を見て子供たちが目標にしてくれれば。99年にW杯に出場したときは世界チャンピオンも、米国に勝つことも遠かったんですけど、(この優勝は)先輩たちが築き上げてきてくれたおかげだと思います。
■鮫島
実感が沸かないです。素直にうれしいです。(米国のサイド攻撃は)みんなで守り切れたので、みんなで勝ち取った勝利だと思います。試合前には全員で細かいことを確認したり、コミュニケーションをとれたのが良かったです。(前所属の東電からの移籍もあったが)ここに立てるのはわたしにかかわってくださったすべての人のおかげなので、心から感謝したいです。
■海堀
実感がないですが、すごいことをやったのかなと。トロフィーは触りました。これまではこういうのはテレビの世界でのことだったので信じられないです。(PK戦は)試合で2失点したので、ここは止めようと。(PK戦前の指示は)自分を信じて、みんなのことを信じて思い切ってやれと言われました。米国はうまかったです。夢見たところ、世界一になれたので、自分にかかわってくれた人に感謝でいっぱいです。
■澤
もうなんか信じられないです。みんな最後まであきらめず、戦った結果が、このような結果だと思います。自分自身も最後まで走り続けましたし、全力を出し切りました。ずっと世界一を目標に戦ってきたので、今日の現実が受け止められないですけど、うれしいです。(W杯出場は)5回目にしてしっかり結果を残せました。応援ありがとうございました。皆さんの応援が励みになりました。金メダル持って帰ります!
■佐々木監督
選手が粘り強くやってくれました。日本のみなさんがテレビの前でよく応援してくれたのが通じたんじゃないでしょうか。最後の最後まで、PKはどちらになるか分からないですけど、良かったです。(PK戦は見れなかったのでは?)そんなことないですよ、ここまでくれば十分ですから。僕もびっくりです。小さな娘たちが粘り強くよくやってくれました。
[sportsnavi 時事通信]
日の丸を背負った澤の写真が格好良すぎると話題に
ところで、女子ソフトの金メダルで盛り上がってた人たちは今でも応援してるの?