水泳オーエン選手が若すぎる急死 |

競泳の11年世界選手権男子100メートル平泳ぎ王者で、北島康介(29=日本コカ・コーラ)の最大のライバルとみられたアレクサンドル・ダーレオーエンさん(ノルウェー)が4月30日、高地合宿先の米アリゾナ州フラッグスタッフで急死した。26歳だった。ノルウェー水連によると死因は心停止で、ホテルの浴室で倒れているところを発見された。ロンドン五輪を目前に、良きライバルであり良き親友の突然の死に、北島は深い悲しみを隠せなかった。

オーエン｜北島康介

あまりに突然の訃報だった。ロンドン五輪開幕まで3カ月を切って、北島の良きライバルが突然、26歳の若さで逝ってしまった。

北島康介

北島はツイッターで「涙がとまらないよ」「RIP(RestinPeace)Alex」(アレックス、安らかに眠れ)とつぶやき、「良き友、良きライバルであった彼の突然の死に驚いています。この1年、彼を目標にしてきました。五輪で戦えることを楽しみにしていたし、彼も楽しみにしていたと思う。まだ信じられません」と、悲しみのコメントを寄せた。

北島康介 twitter

ダーレオーエン

ノルウェー水連などによると、ダーレオーエンさんは標高約2100メートルの米フラッグスタッフで高地合宿を行っていた。4月30日は軽いトレーニングを行った後、ゴルフにも興じるほど元気だった。だが宿泊先のホテルに戻り、浴室へ入った同日夜。長時間戻らないことを心配した同僚がのぞくと床に倒れていた。

チームドクターが蘇生措置を講じ、数分以内で到着した救急車によって市内の病院へ緊急搬送されたが、心停止による死亡が確認された。亡くなる少し前にツイッターで「フラッグスタッフでの合宿もあと2日。やっとノルウェーの美しい街に戻れるよ」とつぶやいていた。これが、公に残した最後の言葉となった。

北京五輪銀メダルのダーレオーエンさんは、100メートル平泳ぎで北島の最大の好敵手だった。急成長した昨年の世界選手権では190センチの長身を生かし、前半からハイペースな泳ぎで周囲を圧倒。58秒71と高速水着禁止の10年以降、初の58秒台で制した。1秒32の大差をつけられ4位に沈んだ北島は「歯が立たない。すきがないし、まったく別なところで勝負している」と白旗を揚げたほどだった。

日本代表の平井ヘッドコーチは「信じられない。彼は五輪でも北島と最高のレースをしたいと思っていたと思う。水泳界にとって大きな損失」と悲しんだ。世界中の水泳界が、あまりに大きな悲しみに包まれた。

[nikkansports]
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